愛媛県の西部、宇和島と大洲を結ぶ宇和島街道沿いにある、宇和町（うわちょう）卯之町（うのまち）。江戸時代には宇和島藩の在郷町、また唯一の宿場町として栄えました。

町には江戸末期から昭和初期にかけての建築物が立ち並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

この町は、医学にまつわる偉人とゆかりがあります。
ドイツ人医師シーボルトの娘で、日本初の産科女医として活躍した楠本イネ。
シーボルトの弟子であり、楠本イネの師として医学を指導した二宮敬作。
二宮敬作がかくまい、その隠れ家も現存する蘭学者高野長英など、さまざまな歴史的人物の足跡をたどることができます。

現在も、老舗旅館や酒屋、醤油屋などが営業しており、建物には白壁やうだつ、出格子など、伝統的な建築様式が見られます。
通りは楠本イネや二宮敬作も歩いたとされ、当時の雰囲気がそのまま残っています。

町の中にある「文化の里休憩所」では、昔の着物体験も実施されており、明治から昭和初期の着物から好きなものを選んで、着付けをしてもらえます。
当時の着物や小物を身に付け、歴史ある町並みをゆっくりと散策すれば、昔にタイムスリップしたかのような情緒あふれる体験ができます。